コゴメグサ
コゴメグサ(ハマウツボ科)
ミルフォード・トラック(ニュージーランド)
トレッキング3日目、ポンポローナロッジからマッキノン峠に登っていく途中の標高1000m程度の、樹林帯を抜けた草地に多数群生していた。正確な種名は分からないのだが、Euphrasia revoluta かな、とは思っている。
下の写真の種も、同じ場所で見られた。明らかにコゴメグサであるが、これも正確な種名は分からない。とりあえず、Euphrasia zelandica かな、とは思っている。
ニュージーランドの植生と日本の植生を草本に限ってだが、比較してみると、このコゴメグサの仲間とキンポウゲの仲間(こちらではバターカップと呼ばれている)以外は、あまり似たようなものはない。
ところが、このサイトでも紹介しているが、ヨーロッパのクロアチアやスロベニアなどでは、「あ、これは日本でも似たようなものを見たぞ!」と思えるような種が、案外多いのである。そういう印象を持っている。
北半球の東と西の端には似たようなものがあるが、赤道をはさむと、さすがに似たような種は少なくなる。
なおさら、このコゴメグサやキンポウゲのように、南北両半球に分布する植物について、その系統や分布経路について、どうなのかな?という疑問がずっとあって、平成27年4月から1年間、静岡大学で研究生として、日本のコゴメグサの由来を知ろうと分子系統学的な研究をしてみた。その結果は姉妹サイトのhttp://euphrasia.sanya-net.ddo.jp にまとめてあるので、ご参照ください。
南北両半球に分布するものでは、他にワスレナグサ(Myosotis)がある。この種の分布の拠点は北半球ではヨーロッパ、南半球ではニュージーランドで、ヨーロッパから分布の拡大ははじまったらしい。コゴメグサやキンポウゲについても同じで、出発点はどうやら、ヨーロッパらしい。